「保育園落ちた」ブログと『うさぎドロップ』

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 この問題は自分も保育園に通っていたので、どうも人事とも思えず、経緯を見ていた。

 この一連の件を見ていて思ったのは、「子どもは昼間も女の人が家でちゃんと世話しなさい」みたいな人はやっぱり結構多いのだなと思った。

 逆に、経済的に、子どもを預けて働かないと家計が成り立たない。

 あるいは、もっと自分の好きな仕事をしたいという人も多いのだと思う。

 

 これで最近、思い出したのが、『うさぎドロップ』という漫画だ。

 簡単に言うと、30過ぎの独身男大吉が、突如、祖父の隠し子の凛という少女を預かって、一緒に暮らすという漫画である。

 その中で、大吉の母親が子育てを「犠牲」という言い方をして、大吉が、「俺と妹のために母ちゃん犠牲になったのかよ」とショックを受けるシーンがある。

 これはフィクションの世界だが、はやり、子どもを育てるというのは、並大抵のことではないというのが、この数コマの会話の描写で伝わってきた。

 翻って、大吉は凛を育児するわけだが、凛を育てるときに、「俺はこれを犠牲と思いたくない」みたいに決心する。

 そして、男でひとつで育てるわけだから、昼は会社に行くために、凛を保育園を預けるのにいろいろ苦労するという描写がある。

 それを読んで、親の助けも借りられない、保育園に入れられないと、「詰み」というか、シングルマザー、シングルファザーの子育てはかなり厳しいと思った。

 もう、家に子どもを放置するくらいしかなくなる。

 今はそういう非常に寂しい思いをしている子どもたちも多いと思うが…。

 

 しかし、保守の方々とかがいう、「保育園とか人に預けないで、親がちゃんと家で面倒みなさい」という意見もわかるんですよ。

 ワーク&ライフバランスがとれて、昼は子どもを保育園にあずけても、夜は家族団欒できるとかならよいけど、仕事が夜遅くまであって、子どもと触れあえないという人もいるわけで。

 だから、ケース・バイ・ケースというか結構難しい問題だと思う。

 自分の場合は、親が共働きで保育園に通っていた。

 で、小学2年生のときだったか、親がやっていた店をたたむときがきて、「お母さんが家にいたほうがいいよね?」と父親だが、母親だがに聞かれて、自分は「うん」と答えた。

 それで、自分の母親は専業主婦になった。(そのあとまたパートに出たりするのだが)

 だから、自分の家庭を振り返っても、1つの家庭でも、共働きになったり、子どものために専業主婦(夫)になったり、場合によって、そのときの良い答えというのが、変わってくる。

 一概に「子どもは預けて外で働くのが正しい」とか「昼間でも家でちゃんと面倒をみるのが正しい」とはいえないんじゃないか。

 選択肢は1つじゃなくて、たくさんあったほうがいいというか、いろんな家庭の状況に対応できるように選択肢がたくさんある社会のほうが生きやすいと思う。

 

うさぎドロップ 1巻 (FEEL COMICS)